朝起きられない⑵
2016/06/07
◆体全体のパワーが減退している
漢方では、朝、起きづらい という症状は、
何らかの影響により五臓六附の力が弱ま
り、体の活力が乏しくなっているために起
こる、と考えます。
本来は、一晩ゆっくり眠れば体力が回復
し、快適な目覚めを迎えられるはずなのに、
体の活力が乏しいために、快適な朝が迎え
られないというわけです。
したがって、朝、起きられないという人の
ほとんどは、体力のない虚弱な人(虚証)と
判断されます。
この原因には気・血・水のすべてがかか
わっています。例えば、水に異常が起これ
ば、血液中の老廃物をろ過する働きをもっ
腎の機能が低下し、さらに、血毒、瘀血が
生じて、肝機能も低下します。
鍼灸治療でも、相当する臓腑経絡の気・血
・水の働きを良くする施術をし、また漢方薬は
血の異常を正すには当帰芍薬散や人参湯、水の
異常には苓桂朮甘湯や真武湯などが用いられます。
しかしながら、朝、起きられないという
のは、体質や生活習慣によるものも大きい
と考えられます。したがって、鍼灸や漢方
の治療に加えて、普段の食養生を通じ、体
質改普を図ることも大切です。
◆起きづらさを伴う重大な病気
心藏病や甲状腺機能低下症などのほ
か、糖尿病、肝炎、腎炎、胃腸疾患、
がんなど体力を徐々に奪う病気が進行
すると、朝の目覚めが悪くなってきま
す。ただし、それらの症状が急速に悪
化すると、朝、起きられないといった
程度ではすまず、すぐに命にかかわる
場合があります。
量近、特に朝、起きづらい、なんと
なく体がだるいという段階で検査を受
けるようにしておけば、重大な病気が
隠れていても早期に発見することがで
きます。
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